船橋市の北東に位置する金堀町の鈴果園さんに訪れ、鈴木明道さんにお話を伺いました。こちらでは約20種類の梨を栽培しています。
梨園に入ると驚きの光景が広がっていました。
細い幹の梨の木が、一方の方向に傾き一列にきれいにつながっています。
こちらの梨園では、祖父の代からの古木を植え替えて、「ジョイント仕立て」という接ぎ木の法で栽培を始めました。「ジョイント仕立て」とは隣り合う梨の樹同士を繋げる技術で、鈴木さんが就農した約13年前に千葉県で初めて取り入れた方法です。
「実がなるまでの期間を短縮する早期成園化、作業効率化などを考えて、神奈川県農業技術センターの“ジョイント仕立て”を取り入れました」と鈴木さん。
「ジョイント仕立て」で伸びてきた若い枝を、紐を使って上の棚へと誘引しています。これもこの時期の緑枝(りょくし)管理の作業のひとつです。鈴木さんは「枝と枝の間が空きすぎても、密集し過ぎてもだめなんですよ」と次々に作業を進めていきます。
上の写真で横に伸びて実がなっている枝には、過去に枝を引いて紐で縛った後が見られますね。紐が今年のよりも膨らんで太くなっています。
梨は一つの枝に花芽が付いて実がなるのが3年から7、8年。若い枝が伸びるこの時期に来年以降に良い実がなる枝を選び、予備枝(よびし)として成長できるようにしています。
今年の収穫だけでなく、将来を考えての作業なのですね。「(枝を)立てたり、切ったり、引いたりしています」と鈴木さん。
「トラ」を張って枝を引っ張っています。トラとは三角形に紐をかけること。
ここでは上に向かって伸びている枝を引っ張っていますね。上に張られている白いネットは「多目的防災網」といって虫の侵入や風よけ、ひょう被害の防止などの役目を果たしています。特に春先に咲く花はデリケートで、それを守る大事な役割をしているそうです。
鈴木さんは目にもとまらぬ早さで余分な枝を切り、来年以降のための枝を紐で棚に結んでいきます。
ハサミを2丁持っていらっしゃるので見せていただきました。小さい方は高い枝を切る時に使います。
そして高い枝を止めるのはこちらのテープナー。ホチキスのテープ版です。ちなみに腰のピンクのテープにはピンチがついていて「ここまで作業した」印に棚に留めるのだとか。
「梨園によっていろいろなやり方があり道具も違います。梨園同志で情報をやりとりすることもありますよ」と鈴木さん。
テープナーで留められた枝です。この時期、緑枝管理で摘果もしていきます(本摘果)。枝にハサミを入れるのは7月初め位まで。その後は一気に実が成長するそうです!楽しみですね。
鈴木さんは「うちでは“香麗(こうれい)”が一番早く、7月20日以降位に収穫の予定です」と話していました。
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